Making TASSANIC WORKS

ある「楽器吹き」の物語

2011年04月

YEP-321S放浪記 院丙能回)

楽器を巡る苦悩に果てに、私が辿り着いた結論とは―。

とりあえず、デメリットばかりを考えても仕方が無い。
ウィルソンは、以前試奏した結果、私には合わない事が判明している。やはり、私の感覚では高音域で抵抗が増大しすぎると感じられたためだ。
YEP-842S は、抵抗が強いという意見もあるのだが、私にはむしろ余計な抵抗は無いように感じられた。こちらの方が、特性上私の好みだ。
そして何より、YEP-842S で掴んだことは、YEP-321S でも応用できるはず―。
代金の方は、冷静に考えれば、定期預金と会社のボーナスで何とかなる…。
―よし。私は指揮者に、購入決断の旨を連絡した―。

ここまで、入団してからおよそ7ヶ月。
私の吹奏楽人生の中でも、本当に濃密な時間を過ごす事となった。
YEP-321S で伝説を作ってやる―そういう無茶な志を抱いたあの日が懐かしい(笑)
初めての定期演奏会、薄氷のコンクール県大会、そして、アンサンブルコンテストの団内予選。
ある時は共演し、またある時は死闘(?)を繰り広げ…すべて、私にとっては大きな糧となった。
今後、YEP-842S 片手に、どのような楽器人生を送ることになるのか。また、YEP-321S 使いとしての立ち位置をどう確立していくのか―考えは尽きないが、立ち止まる訳にはいかない。

私はこれからも、ユーフォニアム吹きとして生きていく―。


YEP-321S放浪記 完

YEP-321S放浪記

打ち上げにて、指揮者から衝撃の提案―。
Tassanic、楽器買おうよ。

遡ること数日前。
楽団の団員専用掲示板に、以下のような投稿があった。差出人は指揮者だ。
「ウィルソン TA2900BS の中古、ヤマハ YEP-842S の新品が格安で購入できます。」
なかなかアツい話だな。相変わらず凄いルートを持っているなどと思いつつ、のんびりと眺めていたら、
「Tassanic、どうですか?」
…?名指しだと!?ご指名ありがとうございます、と言いたいところだが…。
私の当時の財政状況から言えば、破産確実と思われた(笑)
その時は、購入を見送る旨を返信しておいた。

私は、高級な楽器はそれに見合った人が所有するべきだと考えている。
例えば、精力的に演奏活動をしている、あるいはプロ並みの腕前を持っている、といったところか。
私の場合は、確実に毎日練習できる訳でもないし、演奏する機会も少ないだろうと踏んだので、YEP-321S を選択したのである。
学校の吹奏楽部備品として普通に置かれているという事は、経験の少ない学生でも扱いやすいということ。何より、コストパフォーマンスはおそらく世界最強だ(笑)
…そして、10数年後位に楽器がくたびれてくる頃、私が高級楽器にふさわしいプレイヤーになっていたのなら…、その時は新しい楽器を買おうと考えていた。

話を打ち上げに戻す。
さらに、指揮者はこう続けたのである。
「確かに安い楽器で腕を磨くというのも1つの方法だが、楽器を変えるだけで簡単に音色を良くする事ができるなら、それも1つの方法だよ。また、君はそうするべきプレイヤーだと思う。」
誰かに認められるというのは、何かを決断する上で立派な基準になると思う。しかし、10年と見積もった期間を、私はたった数ヶ月でクリアしてしまったのか…?
「少し、考えさせて下さい。」
私は、そう答えるのが精一杯だった。

次の日、私は、仕事そっちのけでこの件について考え込んでしまった。
―確かに上位の楽器を使えば、音色を向上させることはできるだろう。しかし、私の目標は YEP-321S で強者たちと渡り合うことではなかったのか?また、破産の危機に陥る程の無理をしてまで高級楽器を購入するべきだろうか?
苦悩の果てに、私が下した決断とは―。

続く

YEP-321S放浪記

それは、いつもと同じ舞台のはずだった。
そう、あの一言を聞くまでは―。

団内予選終了後、打ち上げが行われた。
参加者の中には、今回審査してくれた方々もいた。外部から人を呼ぶって凄いな…と思ったら、どうやら指揮者の知り合いのようだ。話の内容から察するに、どこかの学校の先生であろうか。
最初は軽い世間話から始まったが、酒が進むにつれ、今回の演奏内容にまで話が及んだ―。

「どのチームも、実力は均衡しているんだよね。」
そこで指揮者が、私を呼び、こう切り出した。
「この彼が、バリ・テューバ4重奏でトップ(1番奏者)を担当したんだよ。」
審査員の1人が返答する。
「そうか。そういえば、金管8重奏にもユーフォニアムがいたな。」
やはり、曲の内容からすれば、ユーフォニアム対決の様相が見えてくるようだ。
「どうやら、テクニックは君の方が上みたいだね。」
―よし。チームとしては予選を突破できなかったが、奏者としての実力を示すことはできたようだ。
外部の人からそのように評価されるなら、それは本物の評価だろう
しかし、次の一言が、私に大きな衝撃を与える事となる。

「ただ…音色が負けているな。」

―!!!
先ほどの評価が本物ならば、これもまた本物。私は、結果としてウィルソン相手に完全勝利を収めることができなかったのだ。楽器吹きの対決として見た場合は、「引き分け」と言えるのだろうが…。
これが、同年代の楽器吹きを相手とした場合、私にとって唯一の黒星となる
やはり、YEP-321S でウィルソンを超えるのは困難なのか…?
苦悩する私に、指揮者がこう言ってきた。
「音色を良くする方法、教えようか?」
流石は元ユーフォニアム吹き。何かいい練習方法でも教えてくれるのだろうか。しかし、その答えは私の想像とは違っていた。

「Tassanic、楽器買えって。」
―なんと!?

続く

歯並び!

皆さんは、歯並びで悩んだことは無いだろうか。
私の歯並びは、とてつもなく悪い
どれ程かと言うと、右上の犬歯の隣にあるべき前歯が…その犬歯の後にあったりする(笑)
他の部分は…推して知るべしといったところか。

先日、歯科検診に行ってきたが、どうやら、虫歯や歯肉炎といった類の問題は無いらしい。
しかし、親知らずに気になる部分があるようで、レントゲンを撮ることになった。
その結果は、かなり衝撃的なものであった。
右下の親知らずが…顔の中心側に約90°傾いており、そのため歯根がフック状に曲がって引っかかっている。しかも、その歯が顎の神経にかなり近づいてしまっているとの事。
現状は問題ないが、もし抜歯という事態に陥ってしまったら…大きい病院に行ってCTスキャンが必要な程度の、結構な大手術になるらしい。…頑張って歯を磨こう(笑)

そういえば、最近思い出したことがあった。
それは、私の高校時代の話―。
当時の私は(今もか)、歯並びなどお構いなしに、部活内最強を目指して吹きまくっていたのだが(笑)
同期のトロンボーン吹きが、顧問の先生に何か相談をしていた。
どうやら、歯並びが悪くて楽器が上手く吹けないので、部活をやめるかどうかと思い悩んでいたらしい。
通りがかった私が一言。
「私も歯並びが悪いぜ!」
―その彼は、大学に進学してからも吹奏楽を続けたそうな。

おしまい

合奏!(2011年4月 第3週)

本日の天気…4月19日の雪って、どういうことだ!?
おかげで、楽器が冷える冷える(笑)
YEP-842S は、YEP-321S に比べて管が多いから温めるのも一苦労。

今回の合奏は、またしても音楽物語。
先週のリベンジだ…と思ったら、遅れて参加したためその部分はすでに終わっているという。…ままならないものだな。
時間が余ったようなので、定期演奏会のポップス曲もやることに。
…さて、どこでオクターブ上げてやろうか(笑)
タイミングを間違えると、自分の音が浮きすぎて曲を壊してしまうのが難しいところ。

隣の音に注目してみる。平日の合奏では、来た順番に座るため、毎回隣の人が違っていたりする。
今回は、元短大生か。…あれ、いつの間に YEP-621S からソヴェリンに?しかも、前より上手くなっている!?
なんだかんだ言って、しっかり吹きこなしている。…いつか、元短大生と死闘を繰り広げる時が来るのだろうか。

これは油断ならない…といったところで、今日は終了。

本職たち

日曜日、楽団のメンバー数人でチャリティーコンサートに参加してきた。少ない練習時間の中では、まあまあまとまっていたのではないかと思う。
チャリティーコンサートは、来週も別な場所であるため、気合を入れて臨みたいところだ。

その後、楽団の合奏練習…吹きっぱなしの一日だな
練習が中盤に差し掛かった頃。仕事のためか、遅れて来た眼鏡屋。
「放浪記」で、ハーレクイン危機から私を救ったあの男である。
指揮者の方に、何やら怪しげな箱を持って近づいていく。
その中から出てきたのは…眼鏡!?
ウチの指揮者、どうやら新しい眼鏡を買うらしく、眼鏡屋にサンプルを持ってくるように頼んでいたようなのだ。
…つまり、商売か…プロだな

今回の注目は、新しく渡された曲。
1つは、葉加瀬太郎氏の曲。前に本ブログで書いた件により、私の中で評価急上昇中。
どこかで聴いたフレーズかと思ったら、「てっぱん」のオープニングテーマか。先日、うろ覚えで耳コピして吹こうと思ったが、断念した曲(笑)
もう1曲は、P.スパーク作曲の「THE SUN WILL RISE AGAIN」。
この曲は、復興支援のためのチャリティーとして作曲されたもの。
もともと金管バンド用に作曲した曲を、チョチョイっと書き直して、即出版…その速筆っぷりは伊達じゃない。
おっ、楽譜上はそれほど難しくない…無茶な曲ばっかり書いている訳じゃないんだなということを実感。

しかし、私が尊敬する2人の曲を同時に演奏する機会を得られるとは。ウチの楽団、なかなか粋なことをしてくれるな

YEP-321S放浪記

団内予選の本番前、控え室にて壮絶な心理戦を繰り広げた私。
P.スパーク氏の「ハーレクイン」なんて、まともに吹いたら本当に死ねる(笑)
さて、肝心の本番はどうであったか。

本番前に、更なるハプニング。
なんと、トップバッターだった金管8重奏のメンバーが、仕事のため遅れるとの事。そこで急遽、我々のバリ・テューバ4重奏と順番を入れ替えることとなった。
…何だと…!こちらのメンバーである団長は、開演に先立ってお客さんの前で挨拶してるし…。
慌ててチューニング。こんな状態だから、さすがの私も舞台に立った時は緊張せざるを得なかった。
…しかし、演奏さえ始めてしまえばこちらのもんだぜ…!

私の合図で、演奏開始。
―最初っから装飾音符かよ。やはり、大編成の吹奏楽曲を無理やり(?)4重奏に編曲しただけのことはあるぜ。
落ち着いて、曲の流れ、メンバーの息遣い、周りの空気を感じながら、音を紡いでいく。
―おっと、場面転換だ。テンポの変化を、合図によって示す。
緩やかな中間部を経て、曲はクライマックスに突入していく。
―走るな、私(笑)最後の最後に、ハイB♭かよ
そして、フィニッシュ!
ここまで、約5分。
練習時間がもっとあれば理想的とは言えたが…やれることはやった。

他のチームの演奏を聴いて、いよいよ、パートリーダーのいる金管8
重奏の番となった。
まずはテューバのソロから。事前偵察によって、曲の内容は把握している訳だが…えらく緊張感のある内容だ。
それに続くユーフォニアムのソロ。おいおい、ウチのパートリーダー…やるじゃないか。これは、厄介な相手だ
他のパートも合流し、曲が展開していく。それにしても、ユーフォニアムとテューバの旋律がやけにエキサイティングだな…私にもやらせろ(笑)
こちらも無事にフィニッシュ!
う〜む、やるな。

すべてのチームの演奏が終わり、団内予選としての結果発表が行われた。この結果によって、アンサンブルコンテストの地区大会に出場するチームが決まるのだ。
金管は、8重奏のチームが出場することになった。我々は、編成上の不利を覆すことはできなかったのだ。
他の出場チームも含めて、健闘を期待することにする。

本番終了後の打ち上げは常識
しかし、この打ち上げが、私の運命を大きく変える事になる―。

続く

YEP-321S放浪記

いよいよ迎えた、アンコンの団内予選を兼ねたミニコンサート当日。

控え室(音出し場所)については、出演者全員が同じ部屋にいることになった。さすがに、各チームの演奏直前のチューニング室は別に用意されていたが。
そこで私は、ある作戦を立てた。
それは、自分の譜面台に、本番では絶対やらないP.スパークのソロ(=死ねる)曲の楽譜を置いておくというもの。これを見た相手にプレッシャーを与えるという…これは、作戦というよりはもう…イタズラだな(笑)

そこに、パートリーダーがやってきた。
「Tassanic のチームは、どんな曲をやるの?」
譜面台を覗き込む。「…。」
―まさか、本当に作戦が成功したのか!?
しかし、ある一言により事態は思わぬ方向に転がっていく―。

「どんな曲なのか、聴いてみたいな♪」
―なにっ?リクエストだとっ!?
できる限りリクエストに応えるというのが、私のポリシーである。しかし、今は本番を控える身。余計な消耗は避けたいところだが…。
「吹いて吹いて〜♪」
―う〜む…。

何とかしてやったぜ(笑)もちろん、本番に悪影響を及ぼさないように曲を中断したのだが。
「じゃ、もう1回♪」
―まずい、これ以上吹いたら…力尽きてしまう。これが「策士、策に溺れる」というやつか。相手も「これも作戦」とか言ってるし…。

「おいおい、その辺にしとけよ(笑)」
…助かった。メンバーである眼鏡屋の一言で、危機(?)を脱することができた。
楽器吹きとしての矜持を保つことができた訳だが、戦略的には…完全敗北だな。
この時密かに、パートリーダーとの演奏以外の勝負を避けることを心に誓う(笑)

とんだハーレクインっぷりを晒す羽目になった私。
気を取り直して、本番だ―。

続く

合奏!(2011年4月 第2週)

祝!3年目突入!!

…たぶん団員の皆さんは忘れているので、勝手に祝っておく(笑)
4月の火曜第2週は、私が今所属する楽団に入団した日である。冒頭に書いたとおり、ここから3年目の楽団生活がスタートする。
振り返ってみれば、新しい楽器を買ったり、一時期打楽器をやっていたりと…激動の楽器生活であった。(詳細は、今後「放浪記」で発表していく。)
今年は、どうなるだろうか?

さて、今回の練習。
楽団の定期演奏会でやる音楽物語(伴奏付きの朗読劇といったところか)の曲を合奏した。楽譜上は難しいところが無いかと思っていたが、油断は禁物。場面転換が多く、その度に曲調が違うものだから、なかなか苦労させられた。
―よし、このフレーズは捉えた…と思ったら、
「Tassanic、半拍ずれてるよ。」
鋭い指摘は健在だ(笑)というか、しっかりしろ、私

また、定期演奏会とは別に、楽団の一部のメンバーでチャリティーコンサートに参加するべく、練習を重ねている。それに関連して、思い出したことを1つ。
2週間位前だったと思うが、あるテレビ番組で、こんな質問が出ていた。
「今回の震災で被災した人たちのために、あなたは何ができますか?」
ヴァイオリニストの葉加瀬太郎氏、こう答えた。
私は音楽家だから、音楽をやる。
…すげえ…。正確には、「音楽を通して色々活動していく」という内容のコメントだったと思うが。
私も1人の楽器吹きとして、このぐらい自分の行動に自信を持ちたいものだ。

本日は以上。



YEP-321S放浪記

数年ぶりに、アンサンブルを組むことになった私。
団内予選に向けて、練習を重ねていく―。

バリ・テューバ4重奏のメンバーは以下の通り。
ユーフォニアムは、1st を私、2nd を団長が担当。
テューバは、1st を百万石、2nd を眼鏡屋が担当することとなった。
私が手こずったのは、演奏開始と曲調変化時の合図出し。ユーフォニアムは、楽器を抱きかかえるようにして持つので、座って演奏する場合は体を動かしづらいのだ。また、私はアンサンブルの経験が薄いため、感覚を掴むのにさらに苦労することとなった。
しかもメンバーの都合が合わず、練習時間があまり取れないという状態。それでも、本番前には何とか形にすることはできた。

そんなある日、1本の電話が。相手は、金管8重奏チームのメンバー。
「今日、ユーフォニアム(パートリーダー)が休みだから、代わりに来てくれない?」
―これは、面白いことになってきたぞ。相手チームの実力を知る、いい機会だ。参加することにする。
曲は、「侍BRASS」のために作曲されたもの。どうやら、ユーフォニアムとテューバをフィーチャリングした曲のようだ。初見で吹くには、なかなか難しい。というか、本当にこれをやるのか!?手強い相手になりそうだ…。
それでも何とか付いていき、私にとってもチームのメンバーにとっても有意義な練習となったようだ。単純に、楽しませてもらったとも言える。

団内予選に出場する団体は、金管2チームの他は、クラリネットチーム、サックスチーム、パーカッションチームである。この面子の場合、金管チーム同士の激突は避けられそうに無かった。曲目上、ユーフォニアムの出来が勝敗を分ける…そんな予感がした。

いよいよ迎えた本番当日。そこで待ち受ける出来事とは―。

続く
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