いよいよ迎えた、アンコンの団内予選を兼ねたミニコンサート当日。

控え室(音出し場所)については、出演者全員が同じ部屋にいることになった。さすがに、各チームの演奏直前のチューニング室は別に用意されていたが。
そこで私は、ある作戦を立てた。
それは、自分の譜面台に、本番では絶対やらないP.スパークのソロ(=死ねる)曲の楽譜を置いておくというもの。これを見た相手にプレッシャーを与えるという…これは、作戦というよりはもう…イタズラだな(笑)

そこに、パートリーダーがやってきた。
「Tassanic のチームは、どんな曲をやるの?」
譜面台を覗き込む。「…。」
―まさか、本当に作戦が成功したのか!?
しかし、ある一言により事態は思わぬ方向に転がっていく―。

「どんな曲なのか、聴いてみたいな♪」
―なにっ?リクエストだとっ!?
できる限りリクエストに応えるというのが、私のポリシーである。しかし、今は本番を控える身。余計な消耗は避けたいところだが…。
「吹いて吹いて〜♪」
―う〜む…。

何とかしてやったぜ(笑)もちろん、本番に悪影響を及ぼさないように曲を中断したのだが。
「じゃ、もう1回♪」
―まずい、これ以上吹いたら…力尽きてしまう。これが「策士、策に溺れる」というやつか。相手も「これも作戦」とか言ってるし…。

「おいおい、その辺にしとけよ(笑)」
…助かった。メンバーである眼鏡屋の一言で、危機(?)を脱することができた。
楽器吹きとしての矜持を保つことができた訳だが、戦略的には…完全敗北だな。
この時密かに、パートリーダーとの演奏以外の勝負を避けることを心に誓う(笑)

とんだハーレクインっぷりを晒す羽目になった私。
気を取り直して、本番だ―。

続く