協奏曲の演奏者とそれぞれの曲が決定し、ようやくこのステージの全貌が見えてきた。
その内容は、クラリネットパートで1曲。トロンボーンパートで1曲。そして、私のソロが1曲。
―何だか、物足りなくないか?
そう思ったのは、私だけではなかったようだ―。

またしても飲み会。
司会者が、こんな事を言い出した。
「ソロの曲が足りないなあ。」
どうやら、楽団のメンバーに声を掛けて回っている様子。そして、ある人の前でこう言った。
「1曲お願いできますか?」「いいですよ。」―って、早いな(笑)
その相手は、副団長(女)。彼女はフルート吹きなのだが、演奏者としては間違いなく団内一。
高度な音楽教育を受けていたという噂もある。
―流石は副団長(女)だな…って、ちょっと待て。一緒のステージで、私も演奏するのか?
「プロ並み」vs「素人」…無謀すぎるぞ(笑)
すぐそばにいた私は、正直、動揺してしまった。

さらに、ステージを締める曲が、『リバーダンス』であることが判明。
この曲は協奏曲ではないが、ソプラノサックス、ホルンにソロがある。
そして、全体において打楽器が活躍するという、このステージにふさわしい内容となっているのだが―本気ですか?私がそう思ったのは、以下の理由による。
この曲は、アイルランドの旋律がモチーフとなっている。特徴は、独特の変拍子を持った舞曲によって構成されていること―つまり、演奏する側にとっては非常に困難な曲である。
私は高校時代に演奏したことがあるのだが、当時は慣れるまでに結構な時間を要した。
―今回のステージも、なかなかハードな舞台になりそうだぜ(笑)

ちなみに、演奏会全体の構成は3部構成である。
1部は、打楽器アンサンブルのステージ。
2部は、全日本吹奏楽連盟によって発行された小編成曲のステージ。
3部が、ここまで語ってきた、ソロまたはパートのための協奏曲のステージ。
私の出番は、2部の小編成曲の内1曲、3部のソロ、そしてリバーダンスとなった。

曲が決まったところで、普通であれば練習を重ねていくところ。
しかし、障害は思わぬところにあったのである。
趣味人にとって最大の敵、それは「現実」―。